六限の図書館
Vol.6 上映会と対話「ある精肉店のはなし」
2日間にわたり、太白キャンパス図書館と大和キャンパス図書館にてドキュメンタリー映画『ある精肉店のはなし』(監督:纐纈あや)の上映会を開催いたしました。作品の上映のあとは、参加者同士でグループディスカッションを行い、それぞれ感想を述べるなど対話の時間を設けました。
上映後のディスカッションでは、精肉店が舞台ということもあり、いのちの尊さや食の大切さなどに関する感想が多かったですが、それだけではなく部落差別の問題について注目した参加者も多くいました。映画を見て自分はどう思ったか、そして他の人はどう感じたかということを共有するということも、この上映会の大きな目的のひとつとなっています。
《作品紹介》
大阪貝塚市での屠畜見学会。牛の命と全身全霊で向き合うある精肉店との出会いから、この映画は始まった。家族4人の息の合った手わざで牛が捌かれていく。牛と人の体温が混ざり合う屠場は、熱気に満ちていた。店に持ち帰られた枝肉は、丁寧に切り分けられ、店頭に並ぶ。皮は丹念になめされ、立派なだんじり太鼓へと姿を変えていく。家では、家族4世代が食卓に集い、いつもにぎやかだ。家業を継ぎ7代目となる兄弟の心にあるのは被差別部落ゆえのいわれなき差別を受けてきた父の姿。差別のない社会にしたいと、地域の仲間とともに部落解放運動に参加するなかでいつしか自分たちの意識も変化し、地域や家族も変わっていった。
2012年3月。代々使用してきた屠畜場が、102年の歴史に幕を下ろした。最後の屠畜を終え、北出精肉店も新たな日々を重ねていく。いのちを食べて人は生きる。「生」の本質を見続けてきた家族の記録。
【映画祭・受賞歴】
・釜山国際映画祭ワイドアングル部門招待作品
・山形国際ドキュメンタリー映画祭 日本プログラム部門招待作品
・平成26年度文化庁文化記録映画大賞
・第87回キネマ旬報文化映画ベスト・テン第2位
・ニッポンコネクション(ドイツフランクフルト) ニッポン・ヴィジョンズ観客賞
・第5回辻静雄食文化賞
イベントレポート
イベントの様子を記録したDVDを図書館でご覧いただけます。
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