六限の図書館
Vol.15 つぶさに見つめる―写真家・大西暢夫の仕事『ひとりひとりの人―精神科病棟17年の記録』
ダムに沈む村での暮らし,閉鎖病棟での人生,命をいただくという循環,そして,津波に流された町……ありきたりの取材とは一線を画し,長く深い対象との時間を写真や映画に結実させてきた大西暢夫(おおにし・のぶお)氏。その仕事は奇しくも,事業構想・看護・食産業という宮城大学の研究分野に重なります。そこで,このたび大和キャンパス図書館にディスカバリーコモンズが開設される記念企画(六限の図書館Vol.15+16)として,両キャンパスで写真展を開くほか,大西氏を招いてお話をうかがいます。
あらたにコモンズが開設される大和キャンパス図書館では,『ひとりひとりの人―僕が撮った精神科病棟』(2004 年/精神看護出版)を中心に近年まで続く取材記録写真を展示するほか,関連イベントとして,氏の最新監督作品で,その患者たちが沖縄旅行に出かけるための奮闘を描いたドキュメンタリー映画の上映とトークを行います。
ゲスト:大西暢夫(おおにし・のぶお)
1968 年岐阜県生まれ。写真家・映画監督の本橋成一氏に師事し,1998 年からフリーカメラマンとなる。現在は郷里の岐阜県揖斐郡池田町を拠点とする。主な著書に『おばあちゃんは木になった』(ポプラ社/第8回日本絵本賞)、『ぶたにく』(幻冬舎エデュケーション/第59 回小学館児童出版文化賞、第58 回産経児童出版文化賞大賞)。映画に『水になった村』(第16 回EARTH VISION 地球環境映像祭最優秀賞),『家族の軌跡—3.11 の記憶から』,『オキナワへいこう!』(2018 年制作中)
大和キャンパス図書館での関連イベント
上映『オキナワへいこう!』とトーク
日時:2018年10月3日(水)18:00-20:00
場所:大和キャンパス図書館内ディスカバリーコモンズ
ゲスト:大西暢夫氏
上映作品『オキナワへいこう!』(監督:大西暢夫/2018年/ 85分[予定])
取材を続ける浅香山病院の患者たちが沖縄旅行に出るべく計画を立てる。精神科病棟に長期入院している彼らにとって現実は厳しいが,旅という非日常を軸に,時にユーモラスに描くドキュメンタリー映画。
聞き手:小川直人(本学特任准教授/学術情報センター学芸員)
ゲストが選ぶ、六限のブックトラック
これまでの六限の図書館
- Vol.25 MYU Cinema Day
- Vol.24 アニオタ目線の建築入門——千葉光さん(一級建築士/NoMaDoS)に聞く
- Vol.23 ワインは知識もおいしいの?—『ワインの教科書』金内誠教授に聞く—
- Vol.22 上映と対話『言語の向こうにあるもの』
- Vol.21 考えて書く、書いて考える—レポート執筆の基本と実践—
- Vol.20 シラバスに載っていない参考図書 2020年版
- Vol.19 MYU Cinema Days
- Vol.18 障害を,世界を新しく捉え直す視点として考える
- Vol.17 シラバスに載っていない参考図書
- Vol.16 つぶさに見つめる―写真家・大西暢夫の仕事 『ぶたにく―食べることは生きること』
- Vol.15 つぶさに見つめる―写真家・大西暢夫の仕事『ひとりひとりの人―精神科病棟17年の記録』
- Vol.14 《未来》を掘りおこせ—若林恵氏(『WIRED』元編集長/ライター)をむかえて
- Vol.13 上映会と対話 『Graphic Means: A History of Graphic Design Production』
- Vol.12 書体をつくるということ ―鳥海修氏(書体設計士)をむかえて
- Vol.11 本から人を知る ― 新任教員が選ぶ“六限のブックトラック”
- Vol.10 いかに私たちはコミュニケーションをやりとげるのか? ― 人間行動学者・細馬宏通氏をむかえて
- Vol.9 上映会と対話 『パンク・シンドローム』
- Vol.8 上映会と対話 『食の選択』
- Vol.7 ワークショップ 『Super Collectable Notes 製本部のノート屋さん』
- Vol.6 上映会と対話「ある精肉店のはなし」
- Vol.5 上映会と対話「ある精肉店のはなし」
- Vol.4 食品表示について学ぼう ― 猪股照美氏をむかえて
- Vol.3 「ケアをひらく」をひもとく ― 白石正明氏(編集者)をむかえて
- Vol.2 世界のクリエイターとともにつくる ― 室市栄二氏(デザイン・ディレクター)をむかえて
- Vol.1 映像で伝える仕事 ― 高平大輔氏(ディレクター)をむかえて