六限のブックトラック

三好俊文准教授(基盤教育群教員/六限の図書館Vol.11ゲスト)の選ぶ“六限のブックトラック”

六限の図書館Vol.11では,新任教員11名にアンケートを行い,次の5つのテーマで本を選定していただきました。コメントつきです。

Q1. 最近ハマった本

最近読んだ本(自分の専門分野でもそうでなくても構いません)のうち、誰かとこの本について話したいというものを1冊教えてください。また、その本に関わるエピソード(本の内容でも感想でもなんでも構いません)を教えてください。

  • 漫画

    佐藤秀峰「特攻の島 第1巻~第8巻」

    マンガです。太平洋戦争中、人間魚雷の搭乗員として出撃・生還した若者が主人公で、生還したが故の葛藤が描かれています。迫力のある絵で覚悟を決めた人間が描かれていて、命や生きるとは何か、について考えさせられました。

Q2. 私のバイブル

今までの読書経験のなかで一番印象に残っている本を1冊教えてください。また、その本に関わるエピソード(本の内容でも感想でもなんでも構いません)を教えてください。

  • 石井進「日本中世国家史の研究」

    バリバリの専門書です。約500頁を費やして、ただ1つのことを主張している緻密な研究です。院政時代に真っ向から向き合った学説ですが、その緻密さに辟易。ようやく物申せそうと文章を書き始めた頃に先生が急逝され、自分の考えは伝えられませんでした。今も私の教科書です。

    大和所蔵

Q3. 私の専門分野の入門書

自分の専門分野を専攻するうえで、ぜひとも読んでおいてほしい本を1冊教えてください。また、その理由を教えてください。

  • 小田中直樹「歴史学ってなんだ?」

    なぜ歴史学が細かい事実にこだわるのか。日本史の研究者が、その問いに応えようとした著書で、共感を抱く点が多いです。講義中「コマくて、メンドクサッ!」という感情を、少し抑えてくれる本なのではないかと思います。

    大和所蔵

Q4. 私の著書(単著・共著・編著書含む)

ご著書がありましたら、PRも含めてお教えください。

  • 七海雅人編「東北の中世史2 鎌倉幕府と東北」

    東北地方の中世史を扱った、一般向けのシリーズもの全5巻のうちの1冊。鎌倉幕府成立期の執筆を担当しました。幕府の立場で描かれがちなこの時代の歴史を、東北の立場に立つことに徹して執筆しました。「東北を見れば、日本が見える」が私の座右の銘で、本書でもこれを意識して執筆しています。

    大和所蔵

Q5. この図書館で見つけたオススメ(本・DVD・CD)

着任間もなく恐縮ですが、本学図書館所蔵の資料でオススメのものを教えてください(よろしければ、オススメの資料を探しに来ていただければ幸いです。)

  • 「正式二万分一地形図集成 東日本」

    明治20年頃から大正元年に発行された1/20,000地形図を集めたもの。地図は、その土地の履歴書だと思っていて、歴史研究の必見の情報源として接しています。これが明治に遡って一気に見られるので、たまらない一冊です。

    大和所蔵