六限のブックトラック
渡邊章子講師(看護学群教員/六限の図書館Vol.11アンケート)の選ぶ“六限のブックトラック”
六限の図書館Vol.11では,新任教員11名にアンケートを行い,次の5つのテーマで本を選定していただきました。コメントつきです。
Q1. 最近ハマった本
最近読んだ本(自分の専門分野でもそうでなくても構いません)のうち、誰かとこの本について話したいというものを1冊教えてください。また、その本に関わるエピソード(本の内容でも感想でもなんでも構いません)を教えてください。
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本
苫米地英人著「ディベートで超論理思考を手に入れる」
論理的に物事を話す(書く)ために大変役に立つ一冊です。論理的に話をするには6つの要素が必要です。データ、ワラント、クレイム、バッキング、クオリィファイアー、リザベーションの6要素がそろうと相手から論破されなくなります。しかし、この6要素をそろえて話をするには、相当の訓練が必要だと教えてくれる一冊です。
Q2. 私のバイブル
今までの読書経験のなかで一番印象に残っている本を1冊教えてください。また、その本に関わるエピソード(本の内容でも感想でもなんでも構いません)を教えてください。
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本
プラトン著・久保勉訳「ソクラテスの弁明」
20歳の時に、ギリシャ教育哲学者である恩師の影響で読んだ一冊です。当時は難解すぎて、内容の一部しか理解できない状態でした。しかし、ソクラテスが対話を通して、話題となっているトピックスの核心に迫っていく、その弁論法に魅了されました。「教育とは、その人の有している物を引き出していくこと。まさにソクラテスが行っていた産婆術のことだよ」と教えて下さった恩師とのたくさんの思い出が詰まった一冊です。
Q3. 私の専門分野の入門書
自分の専門分野を専攻するうえで、ぜひとも読んでおいてほしい本を1冊教えてください。また、その理由を教えてください。
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本
オリバー・サックス著「妻を帽子とまちがえた男」
脳神経科医サックス先生が書かれた、奇妙な症状を呈する、24人の脳神経疾患患者への愛情あふれる診療録。「病気の研究とその人のアイデンティティの研究とはわけられない」というサックス先生の言葉に、医療職者はもっと耳を傾けなければいけないと感じさせてくれる一冊です。
Q4. 私の著書(単著・共著・編著書含む)
ご著書がありましたら、PRも含めてお教えください。
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本
諏訪さゆり著「ICF(国際生活機能分類)の視点」に基づく施設・居宅ケアプラン事例展開集」
認知症看護の第一人者である、私の恩師の著書です。アセスメント、ケアについてなど詳細に書かれており大変参考になります。そして、随所に光る諏訪さゆり哲学が秀逸です。でも、残念なことに絶版となってしまいました。
Q5. この図書館で見つけたオススメ(本・DVD・CD)
着任間もなく恐縮ですが、本学図書館所蔵の資料でオススメのものを教えてください(よろしければ、オススメの資料を探しに来ていただければ幸いです。)
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本
林竹二著「学ぶということ」
「ソクラテスの弁明」と出会うきっかけとなった恩師の師にあたる方が林先生です。林先生は「学んだことの証しは、ただ一つで、何かがかわることである」という名言を残されております。人を育てる立場にある専門職(教員、看護師、医師、保育士など)や子育て中の方など幅広い方にお勧めしたい良書です。