六限のブックトラック
三浦幸平准教授(基盤教育群教員/六限の図書館Vol.11アンケート)の選ぶ“六限のブックトラック”
六限の図書館Vol.11では,新任教員11名にアンケートを行い,次の5つのテーマで本を選定していただきました。コメントつきです。
Q1. 最近ハマった本
最近読んだ本(自分の専門分野でもそうでなくても構いません)のうち、誰かとこの本について話したいというものを1冊教えてください。また、その本に関わるエピソード(本の内容でも感想でもなんでも構いません)を教えてください。
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本
管賀江留郎著「道徳感情はなぜ人を誤らせるのか ~冤罪、虐殺、正しい心」
何か、「言ってる事は優等生で短期的・局所的には良いんだけど、結果が長期的・大域的にはハタ迷惑になっちゃう人」の発生原因を探っていく本。あるいはそういう人を社会的に無害化させる困難さを思うと気が滅入っちゃう本。著者の「道徳」の定義(何かの分野ではスタンダードなの?)に最後まで完全な同意が出来なかった。「道徳」を「X」と置き換えて読んだ。それでも得るものは多かった。サラダパスタを食べる感覚で気楽に読める本。
Q2. 私のバイブル
今までの読書経験のなかで一番印象に残っている本を1冊教えてください。また、その本に関わるエピソード(本の内容でも感想でもなんでも構いません)を教えてください。
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本
藤原正彦著「若き数学者のアメリカ」
日本とアメリカの比較とかそういうことも書いてあるんだけど、兎に角、グイグイ読者を引っ張っていく筆に感心させられる。というか読んでる間はそんな余裕もないスピード感だった。「日本人の国際化」に対する解答を「国際人になること」とか思ってて、結果、無国籍人になりそうな予感がする若者は、早めに読んどくほうがいい。ジェットコースターに一人で乗る感じで読む本。
Q3. 私の専門分野の入門書
自分の専門分野を専攻するうえで、ぜひとも読んでおいてほしい本を1冊教えてください。また、その理由を教えてください。
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本
Barrett O’Neill「Semi-Riemannian Geometry with Applications to Relativity」
相対性理論を幾何学の一分野として読めちゃう本。ってか本来はそうなんだけど。「結局のところ、どの分野も幾何学的に(間違っても図形的ではなく)記述するのが最終目的なんだよなー」という宗教に入信しちゃう本の1つ。でも数学の基礎体力が必要なので却下(>_<)。
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本
三島由紀夫著「金閣寺」
ルール違反してもう一冊!永遠に存在する美の対象として金閣寺に入れ込んじゃった痛い子の話。「金閣寺」を「数学」に置き換えて読んで主人公に共感してしまったら、末期と言えます。いずれも、リア充の読む本じゃない。
Q4. 私の著書(単著・共著・編著書含む)
ご著書がありましたら、PRも含めてお教えください。
私みたいな数学書クレーマーが居ると思うと軽々に書けませんです。
Q5. この図書館で見つけたオススメ(本・DVD・CD)
着任間もなく恐縮ですが、本学図書館所蔵の資料でオススメのものを教えてください(よろしければ、オススメの資料を探しに来ていただければ幸いです。)
着任前の予想よりはるかにマニアックな蔵書でチョーウケました( *´艸`)。オススメは未だよく分かんないです(>_<)。「ずっとここに居るのに誰も読んでくれない(´・ω・`)」って顔してる本から読んでいってみたいですね(^^)/