六限のブックトラック

徳永しほ助教(看護学群/六限の図書館Vol.11アンケート)の選ぶ“六限のブックトラック”

六限の図書館Vol.11では,新任教員11名にアンケートを行い,次の5つのテーマで本を選定していただきました。コメントつきです。

Q1. 最近ハマった本

最近読んだ本(自分の専門分野でもそうでなくても構いません)のうち、誰かとこの本について話したいというものを1冊教えてください。また、その本に関わるエピソード(本の内容でも感想でもなんでも構いません)を教えてください。

  • 後藤正文「何度でもオールライトと歌え」

    著者はASIAN KUNG-FU GENERATIONという、現在活動中のバンドボーカル。作詞作曲も手掛けており、心に響く歌詞を書く人だけあって、文章は面白く魅力的。日記の書籍化にて、1つ1つの話は短い。ただただ妄想に満ちた普通の日記から、時には原発や社会の風潮に関する意見まで、様々な内容がまとめられている。
    著者は“自分の言葉”として、正直な言葉で表現しており、かなり身近な感覚で読みやすい。
    思想を誰かに押し付けるような意図で書かれているものではない。むしろ自分の頭でちゃんと考えろ、という事は文中ではっきりと打ち出されている。理想は諦めないけれど、現実だってきちんと見ようとしている葛藤とバランス、現代人がどのような考えを持って自分との相違はどこか、なぜ相違しているのか…等々、読みやすい言葉・内容であるが、そこから“自分”について振り返るきっかけにもなる1冊であると感じた。

    大和所蔵

Q2. 私のバイブル

今までの読書経験のなかで一番印象に残っている本を1冊教えてください。また、その本に関わるエピソード(本の内容でも感想でもなんでも構いません)を教えてください。

  • 秋月高太郎「ありえない日本語」

  • 桂文珍「落語的笑いのすすめ」

  • 桂文珍「落語的学問のすすめ」

  • 石田衣良「目覚めよと彼の呼ぶ声がする」

    大和所蔵

  • 石田衣良「空は、今日も、青いか?」

    大和所蔵

複数列挙させていただいたが、類似点は“現代で生きる自分の特徴”について考えるきっかけとなる本だと思う。「私って~じゃないですか?」という言葉は何故生まれたか、等…“ありえない日本語”では、現代の日本語の特徴を漫画も参考文献に取り入れつつ分析した内容となっている。“落語的~”も、噺家が大学講師を務めて感じた内容が、主に逐語録で書かれている。そして石田衣良は、社会評論家でもあり、主に現代社会の若者を対象にした意見を、エッセイとして綴っている。どれも“現代の人に向けた言葉”で、読みやすく書かれており、“自分について”見つめるきっかけとなる本であった。

Q3. 私の専門分野の入門書

自分の専門分野を専攻するうえで、ぜひとも読んでおいてほしい本を1冊教えてください。また、その理由を教えてください。

  • 山崎章朗「病院で死ぬということ」

    現在は患者の意見を尊重した医療の提供が当たり前であり、より良い方法を日々追及する傾向であるが、これまでは医療技術・延命技術の発達により、終末期の患者に対する過剰な措置を、医師が当然のように実施し、患者・家族も死を回避できるという幻想にとらわれていた時代もあった。終末期患者にとって大切なことは、自分が孤独ではなく、自分を愛し、信頼し、共感してくれる人たちがいて、自分もその人たちを愛し、信頼していることを実感できること。患者と取り巻く人々の間にそのような関係が成立すれば、人はどんな場所でも闘病し、生き生きと生き、死を乗り越え、死を受け入れることも可能である。
    そのような看護学生にとっては授業を通して“当たり前”と感じることを、著者の経験とジレンマの様子から、改めて重要であり、看護の基盤となることを学んでほしい。

    大和所蔵

Q4. 私の著書(単著・共著・編著書含む)

ご著書がありましたら、PRも含めてお教えください。

なし

Q5. この図書館で見つけたオススメ(本・DVD・CD)

着任間もなく恐縮ですが、本学図書館所蔵の資料でオススメのものを教えてください(よろしければ、オススメの資料を探しに来ていただければ幸いです。)

現在検索中。
私が在学生の時より、更に魅力的な本が増えたように思いました。現在検索中ですが、素敵な本を見つけられたらと思います。