六限のブックトラック

鹿野護教授(事業構想学群教員/六限の図書館Vol.11アンケート)の選ぶ“六限のブックトラック”

六限の図書館Vol.11では,新任教員11名にアンケートを行い,次の5つのテーマで本を選定していただきました。コメントつきです。

Q1. 最近ハマった本

最近読んだ本(自分の専門分野でもそうでなくても構いません)のうち、誰かとこの本について話したいというものを1冊教えてください。また、その本に関わるエピソード(本の内容でも感想でもなんでも構いません)を教えてください。

  • 大塚信一「火の神話学」

    人間がいかに火と関わってきたか。道具としての火がもたらした科学的進化。そして火が可能にした調理によって起きた生物学的進化。その二つの進化をなぞりながら、人間が火に見出してきた精神性に、具体的な民俗文化を紹介しながら迫っていく一冊。話題の横断性がとても魅力的でした。

    大和所蔵

Q2. 私のバイブル

今までの読書経験のなかで一番印象に残っている本を1冊教えてください。また、その本に関わるエピソード(本の内容でも感想でもなんでも構いません)を教えてください。

  • 網野善彦「異形の王権」

    正式な歴史として残されにくい人々がいたこと、そして彼らが日本文化の形成に大きな役割を果たしていたこと。後醍醐天皇の元で異形と呼ばれる人々が存在し、さまざまな時代の動きを作り出していたことに衝撃を受けた記憶があります。士農工商では捉えきれない多様な人々の仕事、生き様があったこと気づけたことは、私の価値観に大きな影響を与えました。

    大和所蔵

Q3. 私の専門分野の入門書

自分の専門分野を専攻するうえで、ぜひとも読んでおいてほしい本を1冊教えてください。また、その理由を教えてください。

  • 枡野俊明「共生(ともいき)のデザイン - 禅の発想が表現をひらく」

    デザインに含まれる核心的な価値のあり方について、禅の発想を軸にわかりやすく解説した一冊。“うつろうことに美を見出し、かたちよりもそこに漂う空気を大切にする”という一文が示すように、作り手が本当に作らなければならないものを気づかせてくれます。

    大和所蔵

Q4. 私の著書(単著・共著・編著書含む)

ご著書がありましたら、PRも含めてお教えください。

  • 鹿野護「Quartz Composer Book」

    Apple社がリリースしたQuartz Composerというビジュアル開発ツールの解説書。「リアルタイム映像制作」の概念と作り方をステップバイステップで解説している。単なる技術解説本とならないように、作品を作る上でのインスピレーションや、好奇心などにふれ、科学や哲学に向けたまなざしを、表現という形で具体化させる事を執筆のテーマとした。全10章、読者の技術的進歩に合わせて、モチーフも生命の進化を辿る。自分の技術的進歩と、課題のモチーフの進化をシンクロさせることで、読み進める事が楽しくなるような内容を心がけた。

    大和所蔵

Q5. この図書館で見つけたオススメ(本・DVD・CD)

着任間もなく恐縮ですが、本学図書館所蔵の資料でオススメのものを教えてください(よろしければ、オススメの資料を探しに来ていただければ幸いです。)

  • ブルーノ・ムナーリ「ファンタジア」

    作り出すことの喜びにあふれた一冊。ファンタジアという言葉を軸に、発想を飛躍させ、新しいものを創造する力について、著者がエネルギッシュに語りかけてきます。

    大和所蔵