六限のブックトラック
シラバスに載っていない参考図書(2020年版) その3
六限の図書館Vol.20では,『シラバスに載っていない参考図書 2020年版』と題して,新入生のためのブックガイドをつくりました。3つのテーマでおすすめの図書を紹介しています。最後は,「選者の自己紹介代わりの本」。推薦者のコメントつきです。※推薦者の所属は,2020年4月時点のものです。
選者の自己紹介代わりの本
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本
太宰治「走れメロス」
メロスとは,単に称賛すべき人物であろうか,単に批判すべき人物であろうか。もし,読みがどちらかに偏っているという人がいたら,その人にこそ,通しで読んでみてもらいたい。信じがたいほど暇な時で構わないので。[有川周志|2019年度ディスカバリーコモンズ学生運営委員]
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本
潮田登久子「本の景色 BIBLIOTHECA」
私は司書という仕事をしてかなり経つ。実は司書になりたいと思っていたわけではない。でも,長い年月をかけて育った木のような,重厚な存在感を放つ本の魅力に気がついてからは,なかなかいい仕事だと思っている。 [安藤美保|大和キャンパス図書館司書]
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本
医療情報研究所「病気がみえる(シリーズ) 」
脳・神経から始まり血液に至るまで各器官における働きや疾病の機序を学ぶことができる本。実習期間中では患者の疾病を理解するために一番最初に手にする本です。読みやすく,疾病に対する「どうして?」の答えをくれる本なので大変重宝しています。 [遠藤梨紗|2019年度ディスカバリーコモンズ学生運営委員]
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本
安福望「食器と食パンとペン:わたしの好きな短歌」
イラストレーター・安福望さんが,現代歌人の短歌を選び,1句に1絵を描く。短歌もイラストも頁を開く度に解釈や想像が広がり何度も見返したくなる。短歌とイラストの余白も心地良く,紙の良さを感じる本。 [加藤ひろ美|大和キャンパス図書館司書]
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本
小泉武夫,他「すべてがわかる! 「発酵食品」事典 (食材の教科書シリーズ)」
発酵食品についてこの1冊にぎゅ~とつまっている。 発酵食品を利用したレシピもついており,お料理好きな人にはピッタリ。 監修に,金内も参加しており,名刺代わりに読んでいただきたいです。 [金内誠|食産業学群教授]
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本
湯本香樹実「夏の庭 The friends」
ひとり暮らしの老人と子どもたちとの奇妙な交流を描いた作品。誰もが経験する身近な人の「死」。その時自分は何を考え,何をするのか。「死」を通してどう生きるかを何度も考えてしまいます。[佐藤亜佑美|太白キャンパス図書館司書]
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漫画
佐々木倫子「おたんこナース」
気が強くてドジな新米看護師が主人公。その姿はまさに「おたんこナース」。失敗続きだけど,一生懸命で憎めない。こんな看護師がいてもいいのかもしれない,と思えば,今後の進路に勇気が持てます。[末永仁美|2019年度ディスカバリーコモンズ学生委員]
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本
ニクラス・ルーマン「社会の社会1・2(叢書・ウニベルシタス922)」
仲間との翻訳を名刺代わりに取り上げます。同書では、現代社会が極めて抽象的に描写されていますが、われわれはそれを逐一卑近な例に落とし込んで理解しています。この作業なくして「高度な実学」はあり得ません。[菅原謙|基盤教育群准教授]
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本
ゆるりまい「わたしのウチには、なんにもない。」
現在,部屋にある物の多さに辟易しています。物がなかったらどんなにラクか。
ここまで物を処分するのはやりすぎとも思いますが,物のない生活にあこがれています。 [鈴木裕子|太白キャンパス図書館司書] -
本
平山琢二,須田義人「家畜生産学入門」
仲の良い友達と一緒に書いた畜産学の本。手軽に,構えず,安く,ちょっとした知識として学べる教科書を目指して書きました。家畜のことを知って,食卓の会話を盛り上げてください。 [須田義人|食産業学群教授]
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本
ヨシタケシンスケ「あるかしら書店」
店のおじさんがあなたの希望の本を紹介します。あなたが欲しい本はどんな本ですか? 個人的には「文庫犬」「本のその後」がおすすめです。[須藤あすか|太白キャンパス図書館司書]
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本
ヨシタケシンスケ「ころべばいいのに」
「きらいなひとって,いるよねー。」それにはどう対応したらいい?大人になっても嫌な感情との付き合い方は,難しい。思わずあるある!と笑ってしまうが,哲学的な発想・思考力に脱帽。読み終えると心が軽くやさしく前向きになれる絵本。[髙橋喜美|大和キャンパス図書館司書]
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本
クリスチャン・ノルベルグ=シュルツ「ゲニウス・ロキ -建築の現象学をめざして」
私は,人間と土地の関係性を題材に,場所が有する価値の探求や場所のつくり方について研究を行っている。本書は,『場所の霊-ゲニウス・ロキ』を切り口に「場所とはなにか」ということを考えるための礎を構築してくれる1冊である。[友渕貴之|事業構想学群助教]
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漫画
佐倉 準 「湯神くんには友達がいない」
湯神くんは自分の意見を物怖じせず言い,マイペースに我が道を行きます。ですが,相手を思いやるやさしさもあります。周囲が彼に求める形だけの「協調性」は「忖度」ではないか。笑いながら強くなれる漫画です。 [土井結香|2019年度ディスカバリー・コモンズ学生運営委員/保健師]
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本
Kim Bjørn「PUSH TURN MOVE」
電子楽器のインターフェースデザインについて,ここまで詳細に書かれているのに眺めているだけでもワクワクする,そんな楽器のような一冊。ミュージシャンもデザイナーもこのシリーズは必読です。[納富洸司|卒業生/ヤマハ株式会社]
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本
玉城栄彦「手洗いの疫学とゼンメルワイスの闘い」
現在,感染症から身を守るため,「手を洗う」ことは基本です。それは,「手洗いの重要性」を訴え続けたゼンメルワイスの粘り強い闘いがあったからです。ゼンメルワイスの闘いは,今も生き続けています。[松永早苗 |看護学研究科博士後期課程研究生]
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本
宮坂昌之「免疫と病の科学」
免疫のしくみは,感染だけでなく,代謝にも大きく関わっている。肥満だって免疫系が関与する。「慢性炎症」は現代の病気の重要な背景。免疫って本当におもしろい。もっと勉強したいなと思わされる本。[森本素子|食産業学群教授]
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本
メリー・ホワイト「コーヒーと日本人の文化誌 -世界最高のコーヒーが生まれる場所」
コーヒーが大好きな我々日本人。その消費量は世界第3位とも言われます。コーヒーのルーツに程遠い東洋の国がなぜ一大消費国となったのか。日本の日常に溶け込んだ飲み物のちょっと不思議な歴史を,学問の垣根を越えながら辿ります。[山本知宙|2019年度ディスカバリーコモンズ学生委員]
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本
岩合光昭「ちょっとネコぼけ」
あごが外れてしまうのではないかと心配になるほどの大あくび,驚きの跳躍力と柔軟性。キュートな肉球にふわふわの毛。愛らしい子猫,たくましく生きる野良猫など,様々な表情のネコに出会える写真集。 [渡辺美恵子 |大和キャンパス図書館司書]