六限のブックトラック

『シラバスに載っていない参考図書』

六限の図書館Vol.17では,『シラバスに載っていない参考図書』と題して,新入生のためのブックガイドをつくりました。推薦者のコメントつきです。

  • 料理:小田真規子、文:大野正人「一日がしあわせになる朝ごはん」

    一日のはじまり朝ごはん。ご飯やパン,シリアル。お好みの具をのせたり,混ぜてみたり。なんと5分以内にできます。まずは一品作ってみませんか?[須藤あすか|太白キャンパス図書館司書]

    太白所蔵

  • 西野嘉章編「インターメディアテク:東京大学学術標本コレクション」

    ここは過去の遺物の陳列場か時間が止まった異空間か。東大の学術標本コレクションを中心に,最先端科学技術との融合によって新しい可能性を探求する実験的博物館インターメディアテク。他に類をみない存在感を放つ。[安藤美保|大和キャンパス図書館司書]

    大和所蔵

  • ケン・リュウ著「紙の動物園」

    もうほとんど未来みたいな現在において,SF小説なんてもう古いと思うことなかれ。中国系アメリカ人で弁護士とプログラマーでもある著者が描くのは,古い/新しい、東洋/西洋をもないまぜにした《未来》である。特に本書に収録の『心智五行』は,食,医療,そして,地域文化の未来を暗示している。[小川直人|特任准教授,学術情報センター学芸員]

  • MEGALOMANIA編「機動戦士ガンダムモビルスーツ開発秘録」

    40年前の「一年戦争」をジオン公国の視点で綴った書。宣戦の政治的背景,兵器の科学的背景や技術的系譜,戦争遂行の組織などを立体的に描きだした100%の作り話。でも,ここまで緻密にディテールを施されると,現実の戦史かと錯覚してしまう。[三好俊文|基盤教育群准教授]

  • 吉村昭著「羆嵐」

    大正時代の北海道。羆(ヒグマ)により,2日間で6名が殺害・捕食された事件が題材。緻密な調査を経た作品だけに描写が生々しく残酷で,お薦めはしにくい。だが,人間の営みは,この種の自然の過酷さとの共存なのだということを,知ってもらいたくもある。[三好俊文]

    太白所蔵

  • 外山滋比古著「こうやって,考える。」

    まずは自分の目で見て,考える。「知の巨人」が教える思考力の鍛え方。パッと開いたページから読んでも,知性を磨くためのヒントが詰まっている。
    [渡辺美恵子|大和キャンパス図書館司書]

    大和所蔵

  • 竹内常一著「子どもの自分くずしと自分つくり 新装版」

    人は生きる上で何度か象徴的な「死と再生」を経験します。本書は「前思春期から思春期」の子どもたちの「自分くずしと自分つくり」という「死と再生」の,研究者による物語。大学という新たな世界に入ってきた今だからこそ読んでほしい本です。[山岸利次|看護学群准教授]

    大和所蔵

  • 若林恵著「さよなら未来」

    テクノロジーとともに未来を描く雑誌『WIRED』の編集長が書いた文章をまとめたもの。意外にも最新技術を疑う姿勢こそに,未来を考えるヒントはある。ちなみに,著者の若林恵は昨年本学を訪れた。[小川直人]

    大和所蔵

  • J・ミルトン著「失楽園」

    宗教とは人間の自由意志の問題でもある,ということを実感させてくれる本。[菅原謙|基盤教育群准教授]

  • E・フロム著「ユダヤ教の人間観―旧約聖書を読む」

    宗教とは人間の自由意志の問題でもある,ということを実感させてくれる本。[菅原謙|基盤教育群准教授]

  • 高橋和巳著「邪宗門」

    「組織」と「個人」との関係を論じたものとして読んでみてください。[菅原謙]

  • 笠井潔著「テロルの現象学―観念批判論序説」

    「組織」と「個人」との関係を論じたものとして読んでみてください。[菅原謙]

  • エドワード・ブルック=ヒッチング著「世界をまどわせた地図」

    16・17世紀から20世紀初頭までが対象の古地図集。推測や伝説で描かれた土地が実在の土地と認識され,探検の対象となり,地図が精緻化されていく。想像の産物に真っ向勝負し,歩を進めてきた人類の姿を垣間見ることができる。[三好俊文]

  • 漫画

    森泉岳土著「セリー」

    外では人間が生きることができない世界。主人公は,子どものころから家の中でヒューマノイドとともに過ごしてきた。しかし,そのヒューマノイドが故障して初期化せざるを得なくなったとき……再起動とともに失われるものはなにか。SFは未来を,つまり次の現在を想像する。[小川直人]

  • 南野忠晴著「正しいパンツのたたみ方」

    私たちの暮らしは,衣食住,家族関係を始めとする人間関係,収入と支出といった経済問題等が影響を与えあって成り立っている。これら生活全般をトータルに学べるのが家庭科だ。家庭科を学ぶことはこれからを生き抜く力になる。[鈴木裕子|太白キャンパス図書館司書]

    太白所蔵

  • ギヨーム・デュプラ著「地球のかたちを哲学する」

    想像上の地球の姿がたくさん収められている一冊。まだ地球を宇宙から見ることができなかった時代に,人々はこんな風に地球のことを考えていたんですね。どれも奇想天外ですが,複雑な世界を認識するための高度な概念化とも捉えることができます。[鹿野護|事業構想学群教授]

  • 喜多川泰著「手紙屋―僕の就職活動を変えた十通の手紙」

    「仕事とは」「はたらくとは」「しあわせとは」を考えるときに少し参考になる一冊。少し長くて,飽きてしまうかもしれませんが,これから学生生活を始める1年生にとっても,充実した学生生活を送るヒントが得られるかもしれません。楽しみながら,これからのことを考えられる良い機会になれば。[菰田俊一|食産業学群准教授]

    大和所蔵太白所蔵

  • 橋本治著「デビッド100コラム」

    僕達は今,橋本治のいない世界を歩き始めている。誰かについてそんなふうに考えることが本当にあるのだ,ということを2019年1月29日の訃報に接してはじめて知った。その晩,追悼の気持ちでたまたま開いた同書には,確かに,僕だけに向けられた/僕にしか受け取れない言葉があった。それがどんな言葉だったかは教えてなんかやらないけど。[茅原拓朗|学術情報センター長/事業構想学群教授]

  • 漫画

    佐藤友哉著「転生!太宰治 転生して,すみません」

    あの太宰治が現代に転生,Dolce & Gabbanaに身を包み,彼らしさを存分に発揮します。「間に合う,間に合わぬは問題でないのだ」という『走れメロス』の名台詞も登場,この作品によって太宰ファンにもそうでない人にも新局面が。[阿部成雄|学術情報室室長]

  • ジョージ・オーウェル著「動物農場」

    宮城大学図書館ポータルサイトの電子書籍をクリックすると読むことができます。ここに描かれたディストピアは一党独裁下のソ連がモデルですが,何事も時間がたつと忘れてしまう動物たちの姿は,現代の日本国民とそっくりでもあり……。[阿部成雄]

    大和所蔵太白所蔵

  • 大江健三郎著「人間の羊」

    ノーベル文学賞作家の大江健三郎,若かりし頃の珠玉の作品。25歳の大江健三郎が,幼いころ経験したアメリカ占領下の日本社会に生きた人々を一つの事件を通して描く。しかし,作品は決して特定の人々を描いただけではなく,人間の普遍的な「弱さ」を問いかけているもの。短いけれどとても後味の悪い作品で,その後味の悪さが心に引っ掛かり続け,魅力に……。[山本まゆみ|基盤教育群教授]

    大和所蔵

  • 立花隆,東京大学教養学部立花隆ゼミ著「二十歳のころ」

    みなさんと同じ世代の大学生が著名人の二十歳のころを「直接会って」「調べて」「書いた」本。20年も前の古い本だから推薦しない。しかし,違う世代の人達と仕事するようになる前に,彼らと自分を同年代として相対化してみる,みたいな読み方ができるかもという期待で。[三浦幸平|基盤教育群准教授]

    太白所蔵

  • 前野ウルド浩太郎著「バッタを倒しにアフリカへ」

    モーリタニアに単身乗り込んで奮闘する若きバッタ博士の話。昆虫好きな人もそうでない人も「はじめてのこと」にぶつかった時のヒントが得られるかもしれません。笑えて勇気をもらえる一冊。[神宮字寛|食産業学群教授]

  • 森皆ねじ子「人が病気で死ぬワケを考えてみた」

    日本人の三大死因,感染症・ガン・生活習慣病がどうやって人を死に至らしめるのかをマンガと手描きの文字で親しみやすく解説。読むと,細菌やウイルスがかわいく思えたりして。そうは言っても死にたくないよね![安藤美保]

    大和所蔵

  • 正岡子規著「病牀六尺」

    34歳で世を去る正岡子規が,死の2日前まで新聞連載した随筆集。布団一枚から自力で出ることすらできない著者の,社会への旺盛な関心と分析に接していると「私の日常はこの人に恥ずかしくないか?」の問いを突きつけられる。[三好俊文]

    太白所蔵

  • 山中伸弥ほか著「僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう」

    「マイチャレンジ 一歩踏み出せば何かが始まる!」の講演と対談の記録。各界のスーパーリーダーも,悩み,挫折を重ねた時があった。彼らに一歩を踏み出す勇気を与えたものとは。生きるヒントになる言葉が満載です。[佐藤貴子|太白キャンパス図書館司書]

    太白所蔵

  • ヨシタケシンスケ著「りんごかもしれない」

    目の前にあるりんごが何であり得るのかをどこまでも追及する絵本。子ども向けであるがゆえに,素朴なかわいらしさを残しつつも,絵や図解に見応えがある。自由な発想を失いかけた時,手に取ってほしい。[小松容子|看護学群講師]

  • くどうれいん著「わたしを空腹にしないほうがいい[改訂版]」

    盛岡在住の若き歌人による,食にまつわる俳句とエッセイ。学生のころから社会人になってからまで,私たちが欠かすことのできない「食べる」ということをめぐる,ちょっと生意気でみずみずじい言葉に,こちらもなにか食べたくなる。実はこの人,宮城大学の卒業生。[小川直人]

  • 漫画

    大友克洋著「AKIRA」

    物語の舞台は2019年,東京。奇しくも翌年には東京五輪が開催されるという現実との不思議な一致。描かれているのは異次元の日本か,それとも未来の姿なのか。私たちはどんな未来を望むのだろう。[安藤美保]

    大和所蔵

  • 新井紀子著「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」

    AI(人工知能)は神か?とも畏れられるなか,それが東大の入試問題を解けるかというプロジェクトを率いてきた著者が,“文章の意味を理解できない”というAIの限界を語った返す刀で中高校生の読解力不足を指摘し,AIと人間の未来を予測する。ところで,君たちは教科書を読めているか?[川上伸昭|学長]

    大和所蔵

  • CD

    歌:アレサ・フランクリン「Young, Gifted and Black」

    私達が持っている力(gifted)を十分に,さらには誰かのために発揮できることがあるとすれば,それが贈られたもの(gifted)であると感じられたときなのではないでしょうか。ニーナ・シモンによるオリジナル曲「To Be Young, Gifted and Black」もぜひ。[茅原拓朗]